そんな修羅場と化している子供達を見ながら、俺達はティータイムを楽しんでいた。




「…遼平、蜜柑ちゃんはお前と結婚するんだってよ」



「蜜柑のヤツ、嬉しい事言ってくれるじゃねーかよ」




遼平はティーカップをくるくる回しながら、我が子を見つめていた。




十年前、菅谷家に新しい家族が増えた。

遼平と桃ちゃんの間に出来た、愛の結晶。


―――それが、蜜柑ちゃん。




「桃ちゃん、可愛らしい名前付けたよね?」




光里が焼きたてのクッキーを運びながら話に入ってくる。


桃ちゃんはクッキーを一つ食べると、明るい笑顔で口を開いた。




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