「パパ…ママ…大丈夫?」 「大丈夫だよ、ありがとう大翔」 光里が優しく大翔の頬を擦る。 日向は、光里の膝の上で寝息を立てて、スヤスヤと眠っていた。 俺はこんな時、思わず光里の出産を思い出してしまう。 遼平みたいに、ずっと光里の手を握っていた。 痛みで苦しそうな光里を見て、「変わってあげられたら…」と何度も思った。 そんな状況が今、ここで起きているんだ。 遼平と、桃ちゃんの元で――― .