佐倉にそう答えるけれど、俺は焦りを隠せなかった。 …まだいるんだよ。 来て欲しいヤツがさ。 俺が落胆の表情を見せていると、分娩室から一人の女性が現れた。 「菅谷さんの旦那さん…ですよね?」 「はい…」 「そろそろ奥さんの出産が始まります。お子さんを産むまで側にいてあげて下さい」 業務事項をスラスラと並べていくと、女性は分娩室へと戻っていく。 俺は少し複雑な気持ちになりながらも、女性に着いていって、分娩室に向かおうとした時だった。 「…遼平っ!!」 .