話は遡る事、数時間前。



深夜、俺達が眠るふかふかのダブルベッドの上で、突然桃が苦しみ始めた。


驚いた俺は、急いで桃の手を握る。




「…どうしたんだよ、桃」



「…い…痛いッ……の…、陣痛…かもッ………!!」



「じ…陣痛!?」




桃のひと言で目が覚めた俺。


動揺する俺は、とりあえず佐倉に連絡を入れた。




「どうされましたか、社長?」



「桃の…陣痛が始まった!」




パニくっている俺の声を聞いて、佐倉は「すぐ向かいます」とだけ言い残して、電話を切った。




.