「大丈夫か?桃!!」



「うっ…い…たいッ………!!」




俺は桃の手を握りながら、荒い呼吸をする桃を見つめる。


そんな俺達の元に、佐倉が冷静な表情をして現れた。




「病院には連絡を入れましたので、今から向かいましょう。

車は私が運転いたしますので、社長は桃さんと一緒にいてあげて下さい」



「サンキュー、佐倉」




俺は極度の緊張状態の中、桃を連れて車へと乗り込む。



隣には、苦しそうな息をあげる桃。

必死に陣痛の痛みに耐えている。



…桃は今から、人生で一番の難関「出産」を迎えるのだ。




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