案内されること約五分。

俺達は厳重な警備がしかれている控え室のドアの前にいた。




「こちらが菅谷夫妻の控え室となっております」



「ありがとうございます」




俺が深々とお辞儀をすると、佐倉さんはニコッと笑った。




「では私、パーティーの方の準備がございますので、これで失礼いたします。

パーティー楽しんで下さいね」




佐倉さんはそう告げると、忙しそうに去って行った。


ドアの前に取り残された俺達。


光里は早く菅谷夫婦に会いたいらしく、目が輝いている。




「…行くか」



「うん!」




俺は光里の手をもう一度握ると、ドアをノックした。




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