俺達はそっと顔を向ける。




「…俺達忘れられてるよな」



「しょうがないよ幸也さん」




何しに来たんだろうな、と苦笑いする幸也達。


…あ、やべ。

コイツらの存在忘れてた。


桃も同じ事を思っていたらしく、お互いに顔を見合わせる。




「ということで、邪魔者は帰るね、桃」



「また後でな」




ひびきちゃんの声が響くと、スタートラインメンバーはぞろぞろと控え室から出て行った。


再び訪れる二人きりの空間。


俺は必死に青木の友人の名前を思い浮かべていた。




「カケル…?ミヨ…?

駄目だ、思い出せねぇ」




俺がはぁ…と頭を抱え込んだ時、タイミング良く控え室にノック音が聞こえた。



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