「だからさ、今日は俺の高校時代の友人夫婦がそっちに行くから」



「は…?」



「河村依知と光里っていうヤツらなんだけどよ。

何しろパーティーとかの経験があんまり無いんだよな。

出会ったら色々教えてやってくれよ。じゃーな!」



「お…おい!」




青木は一方的に話をつけると、勝手に電話を切った。


…青木らしいっちゃ青木らしいけどな。


俺が本日二回目の溜め息をこぼすと、会場で挨拶回りをしていた桃が控え室へと戻ってきた。




「さっき大きな声で叫んでたけど、なんかあったの?」



大きな目をパチパチさせながら聞いてくる桃。


そんな桃がとてつもなく愛しく思えてきた俺は、桃の身体を引き寄せて抱きしめた。




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