JACK IN THE BOX

 
「傷?」

「それに、名前が無い事も。名無しってバカにするから、悔しくて叩いた」

「そうだったんだ。ちゃんと理由があったんだね」

見えていない“パパ”の目はものすごく優しくて。我慢出来ず、少年は泣きじゃくった。

「くやしくて……っ、くやし、くて、……」

本当の気持ちを話そうとすると涙が溢れてくるのはどうしてなんだろう。

シアンの手が少年の姿を探し、そっと頭を撫でた。そして頬をなぞる。

「君は、顔に怪我をしてるのかい?」

少年は頷く。

「頬っぺたと額に火傷の跡が。あと肩に二カ所撃たれた跡がある」

くい、と。シアンは泣いている少年を引き寄せた。

「戦争のせい、か。……かわいそうに」