雨は今だ止む気配はない。
民家や店が立ち並ぶ中央区を離れ、そこからさらに奥へ進むと、天まで届きそうな長い階段が見えてきた。どうやらこの向こう側に城があるらしい。
こんな雨の中でも少女の足取りは軽い。
自分はと言えば数段で、もう顔を歪めている。情けない。雨ですっかり冷たくなった身体は熱を奪われ、長い間濡れてしまったせいで、感覚が鈍くなったのか。
「きっとまだ、この世界に慣れてないの。大丈夫、もう少しだよ」
「……ああ」
頑張らなければ。ぐっと手に力を入れる。少女の言葉に強くそう思い、頂上を目指す。心配させたくない、これ以上は。
ーーまただ。こんな想いにさせられるのは、これで何度目だ?
少年は何度目かわからない問いかけを自分にし、最後の力を振り絞った。
民家や店が立ち並ぶ中央区を離れ、そこからさらに奥へ進むと、天まで届きそうな長い階段が見えてきた。どうやらこの向こう側に城があるらしい。
こんな雨の中でも少女の足取りは軽い。
自分はと言えば数段で、もう顔を歪めている。情けない。雨ですっかり冷たくなった身体は熱を奪われ、長い間濡れてしまったせいで、感覚が鈍くなったのか。
「きっとまだ、この世界に慣れてないの。大丈夫、もう少しだよ」
「……ああ」
頑張らなければ。ぐっと手に力を入れる。少女の言葉に強くそう思い、頂上を目指す。心配させたくない、これ以上は。
ーーまただ。こんな想いにさせられるのは、これで何度目だ?
少年は何度目かわからない問いかけを自分にし、最後の力を振り絞った。



