大和の予想外の焦りが
思わぬ方向へと事を運ぶ。

「えっ?」

「あっ…家が此処なので…。
少し様子を見ませんか?」

母親は気丈な振りをしているが、その怯えが伝わってくる。

「此処…?」
大和の指先が一瞬の緊張を伝え。

「どうぞ…」

言われるがままに
家屋へと突き進む。

玄関先に踏み入れた瞬間
大和の身体は緊迫感を告げた。

「あっと…誰か居るんですか?」

面白い様に母親が反応を示す。

「主人が…
体調を崩して休んでます」

「まさか…原因不明…ってこと」

母親が息を飲み込んだ。

「いつから?こいつは?」