「勝手に覗くなよ…」

言っても無駄なのは解ってる。

けど、
俺だけが筒抜けな事が悔しくて…単なる負け惜しみなんだと思う。

「理解出来るまで何度も言うが」
「解ってる!」

ヌルの言葉を遮り吠える。

「否、お前は解って無い!」

断言された事が癇に触り。

「解ってるって言ってるだろ!
戦いの最中に考えを読まれるのは負けを意味するって事だろ!」

つい、
声を荒げてしまう。

「そうだ。
だがお前はその負けという意味を理解していないんじゃないのか?負けたとしても次がある等とは、考えてはいないだろうが…。
その時点で零稀は消え失せる。
肉体も魂も何も残らん」