イジワル王子とお姫様

「おいって!人の話聞いてんの?」


あ、ヤバ。またトリップしちゃってた。銃士くんに話しかけられたかと思ったら、彼は杏と喋ってて、私を見てない。…あれ?


まさかと思って横を見ると、ナツキくんがこっち向いてた


「えぇっ、私!?」


「お前じゃなくて、他に誰がいんだよ」


いや…そうだけど。さっきあんな言い方されたし、まさか私に話しかけてくれるなんて思わないよ


ナツキくんは、相変わらず怖い。私は慌てて目を逸らした


「ドリンク何か頼む?氷溶けてっし」


「…え?」


私がさっき無理やりかき混ぜたせいか、手元にあるグラスの中の氷は全部溶けてしまっていた。薄まったジュースは、すごく不味そうに見える