イジワル王子とお姫様

杏たちの所に戻ると、いつの間にか席がシャッフルしてる


さっきは男女向かい合わせだったけど、今はリナはナガシメくんの隣に座り、杏も銃士くんと一緒に横並び。マーコはリナたちと喋ってるものの、ちょっと寂しそうに見えた


ハゼくんは私の肩をポンと叩いて「んじゃ、オレあっち行くわ」って言って、マーコの横に座り、さっきマーコと喋ってたみたいに明るい調子で話し始めた


良かった…。私がさっきナツキくんにした事、みんなの前で話されるのかと思った


ハゼくんって意外にいい人なんだ。あぁいう盛り上げ上手な子って、みんなの前で言って欲しくない事を堂々と言っちゃう時があるから、彼もそういう人なのかって勝手に思ってた


「桃香!ここおいで。もー銃士くんホント面白いわ。私、本気になっちゃおーかな。それでね、また今度二人で遊びに行こーって言われちゃった」


杏が私を呼んで、前の席に座らせ、嬉しそうにそう話す


「良かったねぇ」


私はさっきの出来事を話す気にもなれず、落ち込みモード