イジワル王子とお姫様

「な・・・何だよ」


ナツキくん、まさかそんな事態になるとも思わなかったみたいで、恐ろしい物を見るかのように、私の顔を見てギョッとしてる


「ナ…ナツキくんっ!大好きですっ!!」


…何でそんな事を口走ったのか。自分でもわけが分からなかった


とりあえず、ナツキくんに誤解されたくなくて。そして私の存在を思い出して欲しくて。なのに…何を思ったか、思わずそう叫んでいた。あぁ本当にバカだ


私がそう叫んだ瞬間、ナツキくんは顔色も変えずこう言ったんだ


「オレ、テンポ悪い女苦手」


そしてそのまま、私の腕を振り払って、何もなかったようにトイレに歩いて行く


ハゼくんは私の行動に固まり、私はナツキくんの一言に凍りついていた…