イジワル王子とお姫様

「おい、ハゼ。こんな狭いトコで何やってんの?」


しらーっとした声が、彼の後ろから聞こえてくる。ハゼくん、振り向いてその人と喋ってる


「今取り込み中。邪魔すんな」


「取り込み中って・・・あぁ」


ハゼくんの後ろから来た人、そう言って勝手に納得すると、そのまま通路を通り過ぎようとした。うそーっ!助けてよぉ


しかも・・・ハゼくんの頭で見えなかったけど、通り過ぎる瞬間に見えたその横顔は・・・ナツキくんだった


こんな姿を見られたのもショックだけど、そのまま素知らぬ顔で通り過ぎるなんてぇ。ひど過ぎる


「ちょっと・・・待って!!」


ハゼくんがいるのも忘れ、私はナツキくんの腕をしっかり掴んでいた