イジワル王子とお姫様

しばらくして杏が私を肘でつついた


「桃香っ、聞いてる?」


「え?あ、うん」


気づけば、銃士くんはもうナツキくんのもとに戻ってた


「銃士くんがね、今日帰り空いてないかって」


「うん、良かったね」


「他人事みたいな顔してないでよ。あんたも一緒だから」


「へぇ?!」


驚き過ぎて気の抜けた声が出る


だって…杏のデートに私がついてくって変だよね


「じゃ~ん。今日の帰り、合コン決定!」


「えぇっ!?何でぇ?」


「だってさ~。本当は今日友達に女の子紹介する予定だったのに、昨日の晩ドタキャンされたんだって。かわいそうだから、代わりに私が開いてあげようかと思って」