イジワル王子とお姫様

「…へ?行きたいかぁ?」


「うん…、何か楽しそう。普段そういう事って、経験できないもん


夜の自然ってどんなだろうね。この前の個展は、雲で明るい感じだったけど、もしかしたら次の個展は暗闇特集かも知れないし…また見たいなぁ」


私がそう言うと、ナツキくんはゴロンと横になったまま、不思議そうに私を見上げる


「ふーん…やっぱお前も変わってんな」


…だって。ひどぉっ!


ナツキくんがそう言った後、杏がナツキくんの顔面を、側にあった新聞紙でバシッと叩く


「痛っ!何だよ…」


うわぁ…痛そ。真上から思い切り振り下ろしたよぉ。杏、怒ると容赦ないから…


「あんたねぇっ!みんな気にしてないって言ってんのに、桃香に当たらないでよね。ったく、誰が一番厄介なんだか」


うわぁ、言っちゃったよ…


ナツキくんの表情が変わる。怒ってたのに、目を閉じため息をつくと


「悪い…ちょっと頭冷やしてくる」


って言い残し、一人そのまま部屋を出て行ってしまった


や…ヤバくない?


杏と銃士くんに目で訴える