イジワル王子とお姫様

「っきゃ~。美味しい!!」


杏が、蛸釜飯を頬張り
感嘆の声を上げる


私のは鯛釜飯だよぉ~。本当に美味しい


一通りの料理が運ばれ、締めの釜飯にデザートで今日の豪華な食事は終わりを告げた


「ナツキくん、お父さんまだなの?ご飯先食べて良かったのかなぁ~…」


「あ~、全然問題無し。オヤジいっつもこうだから。旅行に着いて行っても、おかんとよく待たされたな…」


「そうなんだぁ…」


「そそ。で、よくあるパターンは…」


ってナツキくんが言った途端、ナツキくんの携帯が鳴る


電話に出るなり、うわ、マジかよって言ってるし…どうしたんだろ?


ナツキくんは携帯をテーブルに置くと


「今から行く所あるから、明日自分らで帰れってさ…。悪いけど…駅までバスでいーかな」


ナツキくん、肩を落としうなだれる


「バスは…全然いいけど、お父さん帰って来ないのぉ!?」


気まぐれって言うか、…自由人!?


びっくりだよ…


呼んでおいて、あの一瞬しか会わずに帰すなんて