イジワル王子とお姫様

その人が女将さんだったみたいで、私たちは手早くチェックインを済まし仲居さんに案内され、3階の部屋に上がる


私と杏は、廊下突き当たりの部屋。ナツキくんと銃士くんはその隣の部屋を案内された


私たちがチェックインした後、ナツキくんのお父さんは仕事があるみたいで、また夜に戻るからと言い、一人車で出かけて行った


ナツキくんに言わせると、仕事といいつつただの趣味の延長だから遊んでばっかで気楽なもんだよ…だって


それでも、好きな事を仕事にできるって凄いよね。なかなかできる事じゃない


だからナツキくんのお父さんは、あんなに伸び伸びとした雰囲気なのかな


うちのお父さん毎日疲れきってて、夜は飲んで帰ってすぐ寝ちゃうし、休みの日も、一日中テレビ見てゴ~ロゴロ


ほんと、ナツキくんのお父さんを見習って欲しい


仲居さんが部屋を出て行った後、杏と二人で部屋を見渡す


そんなに広くないけど、居間とベッドルームの二間続きの和洋室だ


「うわぁ~っ、杏!部屋から海が見えるよ」