イジワル王子とお姫様

目的地に到着するとそこは、緑豊かなのんびりした地域だった


道路に沿ってサイクリングロードがあり、自転車で旅している人と何度かすれ違う


「おじさーん、海見えないよ?」


杏は不満そうに運転席のイスに手をかけギシギシと揺らす


「海は旅館の裏にあるから。とりあえず先に旅館に入って、チェックインしておいで」


車は、見た目古びた旅館に横付けされた


「うおっ!レトロ~…」


旅館を見るなり、思わず出た銃士くんの一言


レトロ…。まぁ、料理がメインって言ってたし。一泊二食付の宿泊費にしてはかなり安かったし…贅沢は言えないよね


車から降り立つと、着物を着た女の人がにこやかに旅館の入口から出て来た


「こんにちはぁ~!」


みんなで元気良く挨拶した