イジワル王子とお姫様

ナツキくんのお父さんは、私を見て優しく微笑む


「ナツキは扱いにくいだろ?困った事があったら言うんだよ」


「いえ、そんな事…あっありがとうございます」


優しそうなお父さん。別に変じゃないけどなぁ。ナツキくんの気まぐれさは、きっとお父さん譲りなんだね。似た者親子?


私も急いで後部座席に、乗り込んだ


運転手はナツキくんのお父さん


助手席にナツキくん


車は3列シートだから、2列目に杏と私。一番後ろの座席に、銃士くんが一人で座る形になった


おじさんが寄り道してたせいで時間がなくて、車は高速を抜け、目的地へ一直線


私たちを待ってる間に何をしてたかというと…


珍しい虫が飛んでたんだって


どうしても写真が撮りたくて、追いかけて行ってたら待ち合わせの時間をとっくに過ぎてた…って


ナツキくんは、子供か!って突っ込んでたけど、他のみんなは、おじさんの話に聞き入ってた


その土地や季節によって、生息している虫や鳥が違うんだって


全国を旅してるからやたらそういうのも気になるらしく、見つけては撮影して撮りためてるって


…無邪気な顔ですごく楽しそうに、各地で経験した事を色々話してくれた