イジワル王子とお姫様

ナツキくんと初めて出会った日


彼が道に倒れてたから、私たちの間であの話が出る時にはよくそう言ってる


「そーそう。あの時オレ杏ちゃん見てヒトメボレ」


「あははっ、本当に~?ナツキくんがあんな事になってたのに、銃士くんはそんな事考えてたんだ」


「ま~ねぇ。通学中にたまに杏ちゃんら見かけて、実は気になってた。そしたらこいつがちょうどやらかしたからさぁ」


銃士くんは頭に手をやりイシシと苦笑する


「こないだ校門前でやった、あの恥ずかしい告白みたいにさ、ナツキってこんなスかした顔して、たまに笑わせてくれ…」


銃士くんが言い終わるか終わらないかのうちに、寝てたはずのナツキくんが、銃士くんの脚を蹴った


「いてーっ!!」


慌てて脚を押さえる銃士くん


ナツキくんはツバを上げると、ニヤリと笑う


「あ、悪い。寝ぼけた」