イジワル王子とお姫様

ナツキくんは私の手を取ると、野次馬を抜け学校の裏手にまわる


ここなら…人は少ないかな


「時間ないよ…学校始まっちゃう」


「分ーかってる。これだけ今伝えとこうと思って」


ナツキくんは私の顔を、じっくり見ると…


にっこり笑った


「…何となく、思い出した」


「…へっ?」


「親に聞いてみたんだ、小さい頃の事。そしたら、オレのせいで何回も幼稚園に呼び出しくらってたらしーんだわ…」


「…へぇ」


「桃香って子がいて、その子にばっかりちょっかいかけては、泣かせてたんだと


でもどう見ても、好きで苛めてるようにしか見えなかったって…


…オレ、昔からお前の事好きだったのかもな


な~んとなくだけど、そんな子がいたような気がする」