イジワル王子とお姫様

誰かがそう言うと、みんな笑いながら、その場からバラバラと散り始めた


杏も、私にウィンクして私に背を向けると、門を通り過ぎ校舎の方へ向かう


杏…もしかして、この事、知ってたの?


「杏…!」


杏を追いかけようとしたら、ナツキくんに腕を軽く掴まれた


「オレ、置いてく気?」


野次馬の女の子たちが…悔しそうだったり、羨ましそうに私たちを見ている


「う…ううん。えっと…。私も今ここで、同じ事やった方がいいのかな。一つ目ーっとかって…」


私がそう言うと、ナツキくんはフフっと笑って


そんな事しなくても十分オレには伝わってるから


…って言ったんだ