イジワル王子とお姫様

ナツキくんの顔を、こうやって間近で見れるだけで幸せだよ


愛想ない時はあるけど、私が思うに、多分基本は優しいんだよね


「あ、そーだ。ナツキくん今日早く帰らなくて大丈夫?」


「ん?何で」


「あの…だって、電車の中で携帯で…」


私がもぞもぞしてるとナツキくんがニヤッと笑う


「あぁ…あの時の電話の相手が気になんの?」


「ちがっ、違うよ!相手が今日会いたがってるみたいな感じに聞こえたから…」


「ほ~。よく分かってんじゃん。何それ嫉妬?」


「嫉妬なんてっ!私まだ彼女じゃないし」


「はは、まだ…って。この先彼女になれるみたいな言い方じゃん」