イジワル王子とお姫様

視線の先には、ある店先に飾られたマネキンのディスプレイ


ナツキくんに似合いそうな、綺麗な明るいカラー


「うわ。オレあ~いう色無理」


「そっかなぁ、似合いそうだよ。それに私あーいう鮮やかな色好きだな」


「あっそ。じゃあお前が着れば?」


ナツキくんはバカにしたように笑って、そのままお店を素通りする


「似合いそうなのに…。人に元気をくれるナツキくんにピッタリだと思うけどなぁ」


「はぁ?どっちかっつーと、おとしてナンボだろ。元気もらえるなんか言われた事ねぇし」


「だって、ナツキくん見たら元気出るよ


いつも不機嫌そうだけど、笑った時に目が合うと私に笑いかけてくれたのかなって思うし…」


あ…


それって、私だけか