「いつき様、お美しゅうございます。」 「ありがとう。」 「いつき様、そろそろ…。」 「わかりました。」 私は、長い廊下を歩き、御鈴廊下の近くにある御小座敷に入った。 廊下には、月明かりが差し込み、桜が舞っていた。 あとは、上様が来るのを待つだけ。