それより百年程の時が過ぎる。



   ウエァー星団

    ウルフ星



 風が吹き荒ぶ赤い荒野。

 闇夜に巨大な満月が輝き、辺りを照らしていた。


 月明かりに照らされて数十人の人々が列を作り、トボトボとある方向に向かい歩いていた。

 その先には巨大な祭壇が設けられている。

 人々は祭壇の頂上に何かを担ぎ上げ、一心不乱に踊る。また別の人々は地面に何度もひれ伏し祈りを捧げた。


 その光景は数時間続くのだ。


やがて朝日が昇った。



 荒れた土地に草木の姿はあまり見当たらない。それでも人々は荒野を耕す。生きる為の糧(かて)を獲るために。


 この星はかつて軍事大国だった。宇宙を統べる大銀河連邦、それ等と共に大戦にも参加していた。
 その頃の地下からの強引な資源の搾取(さくしゅ)・乱用により星は急激に衰退の一途をたどる事となる。

 多くの人々は星を捨て、別の星に移り住んでいった。

 それでも星を離れたくない者・離れる資金に余裕のない者達は、静かに日々を過ごしていたのだ。