一定のトーンの声と、激しさを増していく声。 それは、どちらが優位に立っているのかを知らせているようで。 ファシズム体制が崩れる音も一緒に、こちらに届いてきた・・・ バンッ―― 「っ…、ふざけるなっ!」 テーブルを叩く音のあとで、主様の怒号が飛び交った。 温厚をウリにしている主様が、ここまで怒鳴るなんて・・・ 暴君の怒りを知る者には、それは危険信号の何物でもない。 「っ・・・」 だから私の身体はもう…、勝手に動いていた。