やっぱり感情を殺して生きるなんて、無理だから・・・ 「分かった…、社長に言っておくよ」 「うん・・・」 兄を傷つけるだろうから、何も口にはしなかったけど。 東条社長が兄を許すのはきっと、彼女を取り戻す“材料”になるから。 佐々木さんという、何よりも大切な人の為だから・・・ 「あとは東条社長に任せよう」 「うん、そうだね…」 そうして兄と久々に話し込んでいると、心が解れていくようで。 雅貴様のファシズム体制に、ヒビが入ったような気がした。