─あっ…─ 左手の薬指に光る物─ ─なんだぁ…奥さんいるんじゃん─ 「…こんなとこで女漁ってたら、大事な人に逃げられちゃうよ?」 あたしはちょっと期待していたぶん嫌味っぽく言ってみた。 「ん──ユキちゃんは結婚してたらダメなタイプ?」 「…そりゃあ、ドロドロは面倒くさいし…ヤッパややこしいのは─苦手かなぁ」 ナツはあたしの言葉を聞いて大袈裟にガクッて─カウンターにつっ突っ伏せになった。 「俺は奥さんは奥さん、女は女と─割り切ったお付き合いがモットーなんだよ?」 「何?それ。」 *