「霞─検査はどうだった?」 「大丈夫だった…。」 「そうか…よかった…─」 ほっとした顔であたしを、優しく見つめる、父─。 「体以外では、不自由は、ないかい?」 「はい、おかげさまで…」 あたしの返事に、父は苦笑した。 「…相変わらず─他人行儀だな。」 「…お父さんも、元気そうですね─」 「ああ…」 「…お母さんは、どうですか?」 あたしは、母のことを聞いてから、後悔した─聞いては、いけなかったのかも… 父の動揺が隠しきれていなかったから… 父が─目を伏せた。 *