だけど、助け出せたのは、霞だけで……彼女は。 父の膝にのせた手が拳を握って微かに震えていた。 由美は死んだ。 私は、それを利用したんだ。 雪を霞へと変えて 雪は死んだことにして… 一人残された、雪の兄を、孤児院に入れて… あきこに雪の兄のことは言えずにいた。 「私は、ずるい男だよ。」 あきこは、由美のことを知っていたんだ。 *