「そうだったかな?ごめんね。」 「関口伸(セキグチノブ)」 「えっ?」 「関口伸っていうんだよ」 「…!?」 あたしはあの時なんで、のぶの名前を父に背を向けたまま言ったんだろう。 ちゃんと顔を見ていたら、 父の顔も 微かに震える父の声にも気づけたはずなのに… 「関口…伸…… 震える父の小さな声にあたしは、全く気づかなかった。 *