「いってきまーーす!」



私は靴を履きながら、大声でお母さんに言った。



「いってらっしゃい!!!」



キッチンから満面の笑顔でお母さんが歩いてくる。



「あんたも、、ついに成人式ね、、」



振り袖を着て立っている私を見て、お母さんが泣きそうになっている。



ちなみに振り袖は隣のおばさんが着せてくれた。



「そうだよ。……ってか泣かないでよ〜!!」


私はお母さんの肩をぽんっと軽く叩いた。


「だって、、あんなに小さかったのに、、、!」


「はいはい泣き止む!……で、これあげる。」


私は昨日書いた手紙をお母さんに渡した。ちょっと照れくさい。



「蘭子、、、!」


もっと泣きそうになるお母さんを見て、私も泣きそうになったから、急いで背を向けた。


「じゃあいってくるね!!」


私は玄関を出てマンションの階段を下りる。