本物×偽物どっちを選ぶ?



―律side―


『で?何だ?俺と2人で話がしたかったから雛乃ちゃんを教室に帰したんだろ?』


そう言って、先輩は大きく背伸びをした




お見通しかいな・・・




俺は深いため息を漏らして先輩に向き直った


『雛乃ちゃん・・・何を悩んでたんですか?』


俺が真剣な顔をして問い掛ければ先輩は「ははっ」と軽く笑った


何がおかしいんや・・・


『自分で聞けば?』


先輩は俺を見てそう吐き捨てた


分かってる


先輩の言ってる事が正しい


自分で聞けばいいに決まってる


せやけど・・・・・・


『雛乃ちゃんは俺には相談しなかったんや・・・聞かれたくないからかもしれへん』


『よく分かってんじゃん』


俺の言葉を聞いて、先輩は髪をくしゃっと持ち上げた


その後、しばらく沈黙が続いた


もう授業が始まってるのか、辺りは静かだ


『類って男・・・知ってるよな?』


類・・・?


何で類が出て来るんや・・・?


俺はよく訳が分からないまま、頷いた


先輩は話を続ける