本物×偽物どっちを選ぶ?



『雛乃ちゃんは誰にも相談出来なかったんだよ、迷惑を掛けたくないから』


柳刃先輩が律くんを見上げる


その瞳を見て律くんは睨むのを止め、私の手を握った


『俺は・・・雛乃ちゃんの相談を迷惑だなんて思わへんよ』


少し悲しそうな律くんに私は何も言えなくなってしまう


律くん・・・・・・


『むしろ・・・もっと頼ってほしかったわ』


苦笑いを浮かべ、私の頭に手を置いた律くんに私は胸が締め付けられる思いだった


心配してくれてるんだ・・・


頼ってよかったんだ・・・


いろんな思いが私の中で交差する


『とりあえず・・・流星が心配してたで?行って安心させてやり?』


律くんは私の手を引っ張り、ベッドから立たせた


瑠那に・・・心配掛けちゃったな・・・


『うん!行ってくる!柳刃先輩・・・今日はありがとうございました!』


私は柳刃先輩に頭を下げる


すると柳刃先輩は笑いながら手を振って「また相談乗ってやるよ」と言った


それが・・・何だか嬉しかった