『雛乃ちゃん!体大丈夫かいな?』
『律くん?』
保健室の入口には息を切らした律くんが立っていた
『あ・・・この間雛乃ちゃんと一緒に居た奴?』
柳刃先輩がバツの悪そうな顔で私に問い掛ける
『・・・?そうですけど・・・・・・』
私がそう答えるのと同時に私の目の前に誰かの背中が現れた
あれ・・・?
律くん・・・・・・?
『雛乃ちゃんに近付くなや』
いつもより少しトーンが低くなった声が聞こえてきた
そうか!
律くんの中では柳刃先輩は、あの最低な先輩になってるのか!
『違うの律くん!』
『雛乃ちゃん・・・?』
私が律くんの制服の袖を引っ張って声をあげると律くんは不思議そうに私の方を向いた
柳刃先輩は悪い人じゃない
むしろ相談に乗ってくれたんだから感謝しなければならない
『柳刃先輩は私の相談に乗ってくれたの!!』
私が律くんに向かって声を張り上げると、律くんはもっと不思議そうな顔をした
『相談・・・?こんな男に?』
律くんはまたギロッと柳刃先輩を睨んだ
まだ最低な先輩と思われてるらしい・・・


