「――はぁっ、びっくりした」 学校までの道のりを、一度も振り返らず…ただ、走る。 保健室の扉が見えた時、やっと “安堵”のため息をついた。 ――ガラガラ… 出来るだけ静かに、遠慮がちに…ドアを開けた。 「…あら、瑠璃ちゃん?」 そこには、いつもの先生がいて。 事情を話すと、2時間目が始まるまでベッドを貸してくれた。 ベッドに腰を下ろすと。 「今日から1年生は……体験合宿よね?」 「……はい」