年下カレシに蜜な罠



 *凜久 side*


「そういえば、来週だよな」

電車の中、俺の隣に立つヨウがボソッと呟く。


「…あぁ。体験合宿?」



――まだ、この高校に入学して2ヶ月も経っていない俺らは、来週に“みんなとの仲を深める”


というコンセプトの元、2泊3日で体験合宿というものに行かなければならない。



俺としては――。


「凜久の気持ちは分からなくもねぇよ」

瑠璃から目を離すのが、心配なんだろ?


最近の瑠璃は、ぬけてるトコロがあるからね。

と、当の本人には聞こえないように小さい声で返事をした。