都合が良すぎる展開に、なんだか変な緊張を覚えた。 いつもは喉を通るおかずさえも、今日はなかなか通ってくれない。 「これ、もーらいっ」 ピンク色のカップに収まっていたミニハンバーグを凜久にとられてしまう始末。 私は、ただそのお弁当を見つめているだけ。 そんな私の変化に絶対気付いちゃうよね。 「どうしたの?何か変だよ…?」 髪、今日はまとめてるんだね。 私の髪を指ですくっては、そっと離れていく細長い指。 そんな小さな仕草でさえ、いつも以上に過敏に反応してしまう。