"取って" …それは――"どうやって"? 私の頭の片隅にはいつかの選択肢が浮かび上がる。 ・ティッシュで拭いてあげる ・指で拭き取ってあげる 「………」 え、えと…―― 最後は。 ・舐めちゃう 「瑠璃?」 私を呼ぶ、凜久の声さえ…今の私には届かない。 まるで恋愛ゲームのような、甘すぎる選択肢に自分でも恥ずかしくなる。 とてもじゃないけど、 ド レ ニ シ ヨ ウ カ ナ ★ なんて指で選べるとも思えない。 「瑠璃、早くってば」 私の唇に、凜久の小さい顔がグッと引き寄せられる。