ポストからはみ出た手紙をそっと抜き取ると、瑠璃の部屋へと戻った。 「りく……っ」 今にも溢れそうな涙の粒を、瞳にいっぱい溜めた瑠璃が俺の名前を呼ぶ。 「どうした……ッ?どこか痛いの?」 「ううん……、目が覚めたら凜久がいなくて……それで」 ――そっか 今の瑠璃には、俺がちゃんと付いていなきゃダメなんだ。 「ごめんね」 瑠璃の背中に腕を回して、腕の中に優しく閉じ込める。 ――もう瑠璃を不安にはさせないから。 手紙のことは、夜にでも話そう。