「瑠璃」 優しい笑みを浮かべながら入って来たのは凜久で。 「凜久、おはよ」 鏡の前から、ドアの方へと小走りに寄っていった。 「……?」 凜久が無言のまま、窓の方をちょんちょん指さすから ハッとして…窓の外を見たんだ。 「――え、瑠奈?」 塀の前に立っていたのは、瑠奈だった。 「俺が瑠璃の家に上がる時にはいなかったんだけど…さっき気が付いたんだ」 「そ…そっか」 どうしよう――、 なんだか…瑠奈が怖い……。 また何か 言われるんじゃないかって―― 胸の奥が微かに冷えて、 ――震えた。