涙で歪んでいく視界。 彩られていた世界は、たちまち姿を変え 白とグレーの2色に染まっていったんだ。 そんな、空虚感。 もう、あんな思いはしたくない。 「――これ、」 ポケットから、ケータイを取り出すと例のメールを凜久に晒した。 きっと…… ――瑠奈はなにか、 …企んでる。 その想いに呑み込まれないように ベッドの上に放り出された凜久の手を探すと、 小指だけを、強く握った。