「悪いな」 ―――結局。 私の右には、 敵意剥き出しのトコロをうまく、笑顔でくるんだあおいと。 左には、 さおりさんと話しながらお弁当を食べている遊くん。 ……………。 ほんのちょっぴり居心地が悪いって思っちゃうよ。 「そろそろ案内してもらおうかな?」 いつの間にか食べ終わっていたさおりさんが、立ち上がる。 周りを見回してみると、まだ食べ終わっていないのは私だけだ。 「あおいちゃん、いいかな?」 さおりさんが笑顔であおいの手を握る。