――ドンッ! 肩に軽い衝撃を受けて、視界がグラリと揺れた。 とっさに廊下に付いた両手のおかげで、ひざの上辺りに 軽いスリ傷で済んだ。 私の転んだ姿を見たかったのか、クスクスを笑う声が背中側から遠ざかっていったんだ。 最近は、なかったんだけどなぁ… 少し緩んでしまった涙腺をグッとこらえて、 スカートについたホコリを払いながら、私は教室へ急いだ。