私に『あなただれ』っつ聞かれるなんて考えたこと無い。 てか、本当は、ありえないはず…なのに。 「えっと…私は……」 さすがに同じ名前はまずい、と思った私はとっさに、 「…奈……津…。そう…!!お姉ちゃん、奈津っていうの。」 奈々津の文字をもじっただけの『奈』々『津』。 「奈津おねえちゃん??」 「うん。そうだよ。」 私が頷くと、小さい私はキラキラと笑った。