[短編]在りし日の記憶



私がそう呟くと、

ざあっっ

と、強い風がふいた。

「……っ!!」

桜の花びらが激しく舞い散る。

まさに桜の吹雪だ。

視界がピンク色になった。

その時。


(…奈々津……)


「えっ……??」